【占い小説】「アラサー女子たちの占い活用術」<女子会にて> 第1話

2019 11/02
【占い小説】「アラサー女子たちの占い活用術」 第1話

<女子会にて>

「で、順子はどうなの、最近」

真由美はもう何杯目になるか分からない生ビールのジョッキを豪快に傾けて喉を鳴らしてから、順子に向き合った。

「そうそう、私も順子の話、聞きたい!良い人見つかった?」

里奈も前に乗り出さんばかりに順子に詰め寄った。

真由美、里奈、順子は大学の同期で、社会人になりそれぞれ別の職場に勤める中でも、こうして定期的に集まっているのだった。

社会に出て7年、29歳という、30代を目前に控えた、いわゆる「アラサー」世代の3人はまだ全員独身だったが、そろそろ結婚を意識しなくては、とそれぞれが思っていた。

「いやぁ、それがね・・・」

順子が口を開いた。その表情は、暗くもなく、明るくもなく、何とも表現しようもない微妙な表情だった。なんというか、苦笑しているような、ちょっと困っているような、そんな雰囲気だった。

順子の話によると、自然に男性と出会うのが難しいと日頃から実感していた順子は婚活を始める事にして、まずは手軽なところでマッチングアプリや、低価格で参加できるような気軽な婚活イベントに参加するところから始めたという。これが3ヵ月ほど前の事で、その後順子は複数の男性が気になっているというのだ。

「なんかね、難しいね。見た目がタイプだったり、条件が良かったり、性格とか共通の話題とかで一緒にいるのが楽しかったり、それぞれ魅力はあるんだけど、結婚するのに誰が良いのか分からなくなっちゃって・・・」

順子はそう言って苦笑いした。

「ほら、付き合ったり、一緒に暮らさないと見えてこない面もあるじゃない?今はまだどの人とも食事しかしていないから、まだその人の本質が見えていないっていうか・・・」

「たしかに・・・それはあるかもしれないね~」

真由美が同調した。

「実はね、すでに結婚前提で交際を申し込んでくれている人が3人いるんだけど、まさか同時進行で付き合うわけにもいかないし、誰にどんな返事をしようか悩んでまして・・・」

3人!?モテモテじゃん!!」

里奈は興奮して大声を上げた。

「いや、婚活だから、展開が早いだけだよ」

順子は照れ笑いをしながらそう言ったが、確かに順子はおっとりしていて優しそうで外見も可愛らしく、学生時代から男性に好意を寄せられる事が多かったので、3人の男性からアプローチされるのも無理ないな、と真由美も里奈も、そう思った。

その後、その3人の男性について、真由美と里奈が詳しく聞きたがったので、順子は話して聞かせた。

一人目は2歳年上の美容師で、いわゆるイケメンでお洒落でいかにもモテそうというタイプの男性だった。順子はルックスだけで男性を選ぶタイプの女性ではなかったが、彼とは共通の趣味があり、話をしていると一番盛り上がり、とても楽しいのだと言う。

「一番会うのが楽しみな人なんだよね」

順子はそう彼を評価していた。

二人目は同い年のサラリーマンで、大手企業に勤める真面目で誠実なタイプの男性だった。この彼は、とにかく順子が求める理想条件にことごとく当てはまっており、文句のつけどころのない婿候補だった。年齢も年収も、住んでいる場所も、実家の場所も、家族構成も、飲酒や喫煙についても、全てが順子の希望する通りのストライクゾーンに入っていたのだ。

その上性格も良く、会話が途切れて気まずくなったりする事もないくらいには居心地の良い人だと順子は言った。

「ただ、ちょっとね、この、体型がね・・・私、そういうのは気にしないタイプだと思ってたんだけど、20代にしてこのお腹は・・・」

彼は肥満とまではいかなかったが、いわゆる「おっさん」体型で、お腹が出ているのが気になると、順子は苦笑した。

三人目は8歳年上の教員で、アラフォーにしてはなかなかのイケメンだった。

かなりの好印象で、年収も申し分なし。結婚するにあたっての条件も悪くない、という彼だったが、順子は8歳も年が離れている事を気にしていた。

「今時歳の差婚なんて普通だし、8歳ってそんなに離れてる印象無いけどね~」

真由美はそう言ったが、順子は「でも彼が成人した時、私、まだ小学生だったんだよ。それに仮に彼が40の時に子どもを産んだとしたら、その子が成人する時、彼、もう還暦なんだよ」と言って不安げな顔をするのだった。

最近では還暦で二十歳の子どもを持つ親も少なくないから、それほど違和感無いけどな・・・と真由美と里奈は思ったが、何も言わなかった。

「それぞれ、良いところもあれば、気になるところもあるってことか~」

真由美がそう言って、困ったねぇ、と大きくのびをした。

「あっ!だったらさ、私からひとつ提案があるんだけど・・・」

里奈がそう切り出した。

「なぁに?」

そう聞く順子に、里奈は電話占いを勧めた。

里奈は、1年くらい前に電話占いをやってみる機会があって、何気なく気軽に将来の相談をしたら、ものすごく的確なアドバイスをくれて、そのおかげで人生が一気に好転したのだ、と話した。

「あ、それってもしかして、転職した頃の事?」

真由美が思い出したようにそう言うと、里奈は「そうそう!」と答えた。

「それ以来、何か悩み事や迷っている事があると、占いを頼ってるんだけど、順子も試しにやってみたら?最終的に判断するのは順子なんだから、参考程度にってかんじで」

そう言うと、里奈は順子に電話占いでいつも使っているサイトを教えた。

解散して帰宅し、順子は里奈に教えてもらったサイトを見てみた。

そこには大勢の占い師が登録されていて、電話を使って占ってもらえるという利用方法などが記されていた。

そもそも占いには全く縁が無かった順子だったが、友人の里奈もやった事があると言うし、実際のところ、今は本当に迷っているのだから、試しにやってみよう。

そう心に決めて、順子は電話占いの予約ボタンを押した。 

つづく。。。

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